遊びをせんとやうまれけむ
 
たはぶれせんとやむまれけん
 
遊ぶ子供の声聞きけば
 
我が身さへこそゆるがるれ

――― 「四句神歌しくのかみうた」『梁塵秘抄りょうじんひしょう(*1)

 

「遊ぶものは神である。
 
 神のみが、遊ぶことができた。
 
 遊は絶対の自由と、ゆたかな創造の世界である。
 
 それは神の世界に外ならない。
 
 この神の世界にかかわるとき、
 人もともに遊ぶことができた。」

――― 白川静、「遊字論」、『文字逍遥』 (*2)

 

「何かをしようっていう原動力は、いつだって、
 
 初めは生存に関係していて、
 
 それから社会的なものへと移り、
 
 最後は純粋な楽しみになる。」

――― リーナス・トーバルズ、『それがぼくには楽しかったから』 (*3)

 

ぼくたちがこの宇宙で別の知的生命体に出会ったとき、
その宇宙人が最初に口にする言葉は、
「わたしを君たちのリーダーのところに連れていってくれ」
とかいうセリフじゃないだろうってことだ。

彼らはきっとこう言うだろう。

「パーティやろうぜ、あんた!」

(リーナス・トーバルズ、『それがぼくには楽しかったから』) (*4)

 

(*5)


脚注
  1. ((校訂:佐佐木信綱)、歌番号: 三五九(359)、「雜八十六首」(雑八十六首)、「四句神哥しくのかみうた 百七十首」(四句神歌しくのかみうた)、「梁塵祕抄りょうじんひしょう 卷第二」(梁塵秘抄りょうじんひしょう 巻第二)、『新訂 梁塵秘抄』、岩波文庫 黄 22-1、岩波書店、1941年、66ページ)[↩ Back]
  2. (白川静、「遊字論」、『文字逍遥』、平凡社ライブラリー、平凡社、1994年、10ページ)[↩ Back]
  3. リーナス・トーバルズ、「序章 人生の意味 Ⅰ (セックス、戦争、リナックス)」、『それがぼくには楽しかったから』(原題『Just for Fun: The Story of an Accidental Revolutionary』)、小学館プロダクション、2001年、13ページ)[↩ Back]
  4. リーナス・トーバルズ、「終章 人生の意味Ⅱ」、『それがぼくには楽しかったから』(原題『Just for Fun: The Story of an Accidental Revolutionary』)、小学館プロダクション、2001年、366ページ)[↩ Back]
  5. (「遊びをせんとや生れけむ」、「無償のイラストレーション: 世界こどもの日, フェスティバル, 祝う, 虹, 子供, シルエット - Pixabayの無料画像 - 520272」 by geralt on Pixabay[↩ Back]