何と言っても、自分で自分を教育するよりないですよ。(中略)たまたま巡り合った学校の先生より、もっといい先生が本を書いているわけでしょ。それを読むほうが速いですよ。読むと空想力ができる。活字というものは、空想力の刺戟のために存在しているようなもので、テレビはイマジネーションを画面にしてくれますから空想力は落ちますよ。(中略)活字に刺戟してもらうことによってしか、人間は人間らしくなれませんよ
(大阪市立図書館が発行している「図書館通信」の昭和46年12月号に司馬氏が図書館についての思い出を語った談話より)
『司馬遼太郎がゆく―「知の巨人」が示した「良き日本」への道標』 p.242より
半藤一利、山折哲雄ほか、2001年、プレジデント社