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Drupal(ドルーパル)の創始者、Dries Buytaert さん
(*1)
(*2)

2011年時点で、世界3大CMSのひとつである、Drupal(ドルーパル)の創始者は、
Dries Buytaert」さんという名前の人なのですが、この人の名前をどのように発音するのか(カタカナでどのように表記したらいいのか)ということがわからなかったので、調べてみました。
(ちなみに、「CMS」というのは、Content Management System (コンテンツ・マネジメント・システム)のことです。また、世界3大CMSのほかの2つは、「WordPress(ワードプレス)」と、「Joomla!」(ジュームラ)です。)
調べてみると、「Buytaert」という名前はベルギーで使われている名前らしく、英語圏の人でも、「Buytaert」という名前をどう発音したらいいのか疑問に思っていたり、そのことについて質問している人を、ちらほら見かけました。
(下の写真は、ベルギーのワッフル(Belgian waffle)です。ベルギーつながりというだけで、本文とは関係ありません。)
waffles
Creative Commons License photo credit: thraxil
調べていくうちに、どうやら、「Buytaert」という名前には、いろいろな読み方(発音)があるようだ、ということがわかりました。

「Dries Buytaert」という名前の、いろいろな読み方(発音)

Dries Buytaert さん本人は、自分の名前を、「ドリース・バーターシュツ」と発音しているようです。
一方、アメリカ人のなかには、Dries Buytaert さんの名前を、「ドリース・ビアタート」と発音する人もいるようです。
また、Dries Buytaert さんと同じ、「Buytaert」という名前を持っているほかの人のなかには、「バイタート」とか、「ブーテルト」とか呼ばれている人もいるようです。
このように、正直、どの読み方が正しいということはないようです。

(余談ですが・・・)Linus(リーナス)さんと、Mullenweg(マレンウェッグ)さん

ちなみに、Drupal と同じオープンソース・ソフトウェアである、OSの「Linux」(リナックス)の創始者に、「Linus Torvalds」(リーナス・トーバルズ)さんという、フィンランド出身のプログラマーの人がいます。
(下の写真の人が、 「Linux」(リナックス)の創始者である、Linus Torvalds (リーナス・トーバルズ)さんです。)
Linus Torvalds
Creative Commons License photo credit: theducks
この Linus Torvalds (リーナス・トーバルズ)さんも、Dries Buytaert さんと同じように、「リーナス」とか、「ライナス」とか、「リナス」など、いろんな読み方で呼ばれているのですが、Linus Torvalds (リーナス・トーバルズ)さん自身は、「どう呼んでもらってもいいよ」と公言しているそうです。
なので、おそらく、Dries Buytaert さんの名前も、ある程度、好きな読み方で呼んでも、問題ないのではないかと思います。
ちなみに、Drupal(ドルーパル)と同じ、世界3大CMSのひとつである、WordPress (ワードプレス)の創始者の一人に、Matt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)さんという人がいます。
この人の「Mullenweg」という名前も、はじめみたときは、なんと発音したらいいのかちょっと迷ってしまったのですが、この「Buytaert」という名前は、それ以上に曲者な名前のようです(笑)。
(下の写真の人が、 「WordPress」(ワードプレス)の創始者である、Matt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)さんです。)
matt mullenweg
Creative Commons License photo credit: Eva Blue
ついでながら、Drupal(ドルーパル)の創始者である Dries Buytaert さんは、WordPress (ワードプレス)の創始者である Matt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)さんと、数年来の付き合いがあり、二人でチャットをしたり、一緒に夕食をとったりすることもあるそうです (*3)

Drupal(ドルーパル)の創始者、Dries Buytaert さんってどんな人?

Dries Buytaert さんは、ベルギー出身のプログラマーで、Drupal(ドルーパル)の創始者であり、現在も、Drupal(ドルーパル)プロジェクトのリーダーとして活躍しています。
彼はコンピューター・サイエンスの博士号を取得している博士(ドクター)でもあります。
このことから、「Dr. Dre」(ドクター・ドゥレ)という愛称で呼ばれることもあるそうです。
そのほか、Dries Buytaert さんがどのような人なのか、ということについては、以下のウェブサイトをご覧ください。
Dries Buytaert | Personal website of Dries Buytaert
http://buytaert.net/
Drupal(ドルーパル)の創始者、Dries Buytaert さん本人のブログです。
Dries Buytaert - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Dries_Buytaert
Wikipedia(英語版)の Dries Buytaert さんに関するページです。
(下の写真は、Dries Buytaert さんが Drupal (ドルーパル)についてのプレゼンテーションをしている様子を撮影した写真です。)
DSC04027
Creative Commons License photo credit: zugaldia

本人自身の発音では、「ドリース・バーターシュツ」(?)

下の動画は、Dries Buytaert さん本人にインタービューしている様子を撮影した映像です。
この動画の 1:04 あたりで、Dries Buytaert さん本人が、自己紹介として、自分の名前を言っています。
ここでは、彼が自分の名前を、「ドリース・バーターシュツ」と発音しているように聞こえます。
Episode 13 - Dries on Drupal | on the luck of seven
http://luckofseven.com/vlog/episode13


また、下の動画も、Dries Buytaert さん本人にインタービューしている様子を撮影した、別の映像です。
この動画の 0:12 あたりでは、インタビュアーの人も、「Buytaert」という名前の読み方がわからなかったらしく、本人に名前を聞いています(苦笑)。
ここで、Dries Buytaert さん本人が、自分の名前を言っています。
ここでも彼は、自分の「Buytaert」という名前を、「バーターシュツ」と発音しているように聞こえます。
Drupal Boys from Belgium, Dries Buytaert and Steven Wittens
http://www.youtube.com/watch?v=ZfGFOzUxSB0

アメリカの発音では、「ドリース・ビアタート」(?)

上で説明したように、本人自身がそう言っているのだから、Dries Buytaert さんの発音は、「ドリース・バーターシュツ」で決まりだろうと思いきや、どうやらアメリカではまた、別の発音になるようです(苦笑)。
2010年4月19日~21日に、アメリカのカリフォルニア州、サンフランシスコで、「DrupalCon San Francisco 2010」(ドルーパルコン サンフランシスコ 2010)という、Drupal(ドルーパル)のイベントが開催されました。
このイベントの催し物のひとつとして、Dries Buytaert さんは、初日の4月19日に、「The State of Drupal」(ドルーパルの現状)と題された講演を行っています。
この講演の前に、司会者が Dries Buytaert さんを紹介する際に、彼の名前を呼ぶ場面があります。
以下の動画は、その講演の様子を撮影したものです。
The State of Drupal | DrupalCon San Francisco 2010
http://sf2010.drupal.org/conference/sessions/state-drupal
この動画の 2:03 あたりで、この司会者は、「Dries Buytaert」さんの名前を、「ドリース・ビアタート」と発音しているように聞こえます。
この司会者、Matt Cheney(マット・チェイニー)さんは、おそらくアメリカ人だと思います。
なので、さきほどの動画で、Dries Buytaert さんが自分の名前として言っていた、「バーターシュツ」というのは、「Buytaert」という名前のベルギー語読みの発音で、この司会者が言った「ビアタート」というのは、「Buytaert」という名前の英語読みの発音なのかもしれません。

そのほかの、「Buytaert」さんたちは、どのように呼ばれているのか?

「じゃあ、『Buytaert』っていう名前は、ベルギーでは『バーターシュツ』で、アメリカでは『ビアタート』なんだな」
と、思いきや、これももしかしたら、確実ではないかもしれません(苦笑)。
ベルギー出身で、キャンドル会社の代表をしている、「Maria Buytaert」(マリア・ブーテルト)という女性がいるそうなのですが、この人も Dries Buytaert さんと同じ、「Buytaert」という名前を持っています。
ですが、彼女の名前は、「Buytaert」(ブーテルト)と発音されているようです。
マリア・ブーテルトのブロッサミングキャンドル - ReENTA relish
http://relish.reenta.jp/maria/
ほかにも、下の動画では、「Peter Buytaert」(ピーター・バイタート)という人が登場するのですが、この人の名前「Buytaert」は、「バイタート」と発音されています(0:21 あたり)。
Interview with Peter Buytaert 5mins
http://www.youtube.com/watch?v=MKCnpiJAh-4

繰り返しになりますが、このように、「Buytaert」という名前に関しては、正直、どの読み方が正しいということはないようです(苦笑)。
なので、結論としては、あなたの好きな読み方で呼んでも、問題ないと思います。

補足:英語の発話において、発音があいまいになる「弱形」現象について

余談ですが、「英語音声学」という分野には、「弱形」という言葉があります。
この「弱形」というのは、次のような現象のことです。

英語の単語は、常に単独で発音されるときと同じように発音されるわけではない。文として話される場合、弱の個所では、発音があいまいになる傾向が強く、単語によっては、単独で発音されるときとはかなり違った発音になるものがある。これを弱形といい、単独で発音された場合の強形と区別する。(中略)ネイティブスピーカーの発話では、とくに強調される場合を除いて、変形した発音、すなわち弱形で発音されるのが普通である。

(出典:深澤俊昭 『英語の発音パーフェクト学習事典:A Guide to Perfect English Pronunciation』、株式会社アルク、2000年、p.19)

このように、英語の発話においては、時として、「弱形」という現象が起こって、発音があいまいになることがあるのです。
なので、さきほどご紹介した、「DrupalCon San Francisco 2010」の司会者である Matt Cheney(マット・チェイニー)さんが、「Buytaert」という名前を、「ビアタート」と発音しているように聞こえたのは、この「弱形」が起こって、発音があいまいになっていたことが原因かもしれません。
ですので、もしかすると、「Buytaert」という名前の英語における本来の発音は、さきほどご紹介したように、「バイタート」というのが一般的なのかもしれません。


脚注
  1. (Drupal(ドルーパル)のロゴ、兼、キャラクターの、Druplicon)[↩ Back]
  2. (Drupal(ドルーパル)の創始者、Dries Buytaert さん(Photo by Steven Fruitsmaak on Wikimedia Commons))[↩ Back]
  3. Dries Buytaert at DrupalConParis - Drupal and WordPress
    http://www.youtube.com/watch?v=VMZEmsJHMSY[↩ Back]