創始者 Matt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)

WordPress(ワードプレス)を最初につくりはじめたのは、Matt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)さんと、Mike Little(マイク・リトル)さんの二人です。
この二人の創始者の一人である、Matt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)さんへのインタビューのなかで、彼がWordPress(ワードプレス)を作ろうと思い立ったきっかけと、WordPress(ワードプレス)のその後の展開について語られています。

―――そもそもMattさんは、どうしてWordPressを作ろうと思い立ったのですか?
Matt: 僕が19才の時、Movable Typeを使ってblogを作っていたんですが、扱いにくくて、ずっとフラストレーションを感じていました。その後使い始めた「b2」というツールも開発がストップしてしまって・・・・。その不満を自分のblogに書いたところ、英国のMike Littleさんという方が僕の記事に興味を持ってくれて、「b2をベースにしたblogツールを一緒に作らないか」と持ちかけてきたんです。それがWordPressを作り始めたきっかけでした。当初からWeb標準、タイポグラフィ、ユーザビリティの3つに重点を置いて開発してきたのですが、それらがユーザーから評価されて、次第に注目を集めるようになりました。
―――現在、米国をはじめとする世界各国で使われているblogツールは、WordPressが主流となりつつありますね。WordPressが人々に選ばれている理由は何だと思いますか?
Matt: 僕がWordPressを作りはじめた頃、米国では9割のユーザーがMovable Typeを使っていました。でも、どのユーザーもMovable Typeの再構築の遅さにはイライラしていましたし、遅々として進まない開発にも不満を持っていたようです。Movable Typeは企業が開発していますが、最初からオープンソースのツールだったWordPressは、コミュニティによって開発されています。もともと、シンプルで使いやすく、再構築の必要もないというのはWordPressの優れた点でしたが、世界中のさまざまな人々がコミュニティに参加してくれたことで、プラグインやテーマがさらに充実し、プラットフォーム自体がとても魅力的になりました。それが今、WordPressが人々に受け入れられている理由だと思います。
―――WordPressは、各バージョンの開発コードネームに著名なジャズミュージシャンの名前が付けられていますが、なぜですか?
Matt: ジャズが好きだから!(笑) 僕は昔、ジャズを習っていたことがあって、アルトサックスを吹いていたんです。ソフトウェア開発というと堅苦しいイメージがつきまといますが、みなさんにはそうした固定観念を振り払って、もっと自由なイメージを持ってほしかったんです。ただ適当に名前を付けているわけではなくて、そのバージョンの特徴を表すのにふさわしいミュージシャンは誰かと考えながら決めています。たとえば、前バージョンの2.7は革新的な変更点が多かったので、ジャズに革新をもたらしたJohn Coltrane※がふさわしいかな、と思って名付けました。
(中略)

※ John Coltrane(1926-1967) モダン・ジャズの巨人と呼ばれている米国のサックス奏者。音楽表現を極限まで突き詰めていくその姿勢は時に求道者とも呼ばれ、「Giant Steps」「A Love Supreme」など、ジャズの世界に確信をもたらした数多くの名演を残している。

(出典:山本高樹「WordPress創始者 Matt Mullenweg 氏インタビュー」、「WordPressを選ぶ理由:気軽に使えるのに奥が深い、期待のblogツールの魅力を探る」、毎日コミュニケーションズ、『Web Designing』、2009年7月号、p.90-91)

創始者 Mike Little(マイク・リトル)

Matt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)さんと一緒に、最初に「WordPress(ワードプレス)」を作ったもう一人の創始者が、Mike Little(マイク・リトル)さんです。
WP Profiles | Mike Little | Profile
http://profiles.wordpress.org/users/mikelittle