1分でわかる西垣至剛展 in Decentraland
(倍速ダイジェスト版)
西垣至剛展 in Decentraland の看板
わたしたちに、採算ずくではやれない仕事、未来にむかってのおもいきった実験をやるという仕事を課しているのであります。おもいきって積極的に、未来をめざし、未来をひらく仕事をやれと命じているのであります。後衛部隊にあまんじてはいけない。博物館は現代社会の最前列をゆく文化施設たれと、命じているのであります。博物館は、現代文明のアヴァンギャルドたれ、これが、今日われわれが国家・社会から課せられた任務であると、わたしはかんがえているのであります。
―― 梅棹忠夫「文明のアヴァンギャルドたれ」, 「博物館は未来を目指す」, 『メディアとしての博物館』 [1]
Decentraland(ディセントラランド)という名前のメタバース(仮想空間)で展覧会を開催して、画家の西垣至剛(にしがきよしたか)さんの絵画作品を展示してみました。
ここでは、そのことについてお話したいとおもいます。
Decentralandというのは、NFT(ノンファンジブルトークン)と呼ばれるブロックチェーントークンを活用した仮想空間(メタバース)を提供しているウェブアプリケーションです。
参考記事:NFT(ノンファンジブルトークン)をつくって「値打ちのあるもので、ファンと、たのしく!」: ブロックチェーンによるトークンエコノミーと、みんなのためのキャピタルマーケット(資本市場)
参考: 「メタバース」ってなに?
「メタバース」というのは、おおまかに言うと、仮想世界のなかでの個々人の分身となるキャラクター(アバター)をとおして、複数人が同時に空間と時間を共有できる多人数参加型の、インターネット上に存在する、3次元(3D)の仮想世界のことです。
また、最近では、とくに、VRゴーグルやVRヘッドセットなどのVR機器をつかって没入することができる仮想世界や、NFT(ノンファンジブルトークン)に代表されるブロックチェーントークンを活用している仮想世界が、「メタバース」と呼ばれることが多いです。
Decentraland内での、西垣至剛さんの絵画作品の展覧会 in ごちゃまぜ図書館分館
Decentralandのメタバース(仮想空間)のなかで展覧会を開催して、西垣至剛(にしがきよしたか)さんという画家さんの絵画作品を展示してみました。
その展覧会の会場は、Decentralandのなかにある、ぼくが所有・運営している「ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館」という場所です。
西垣至剛さんの絵画作品の展覧会
in ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館
(Decentraland Branch of Mingle Mangle Library)
(通常速度版)
この下のURLは、Decentralandのなかの、ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館がある場所(地図上の位置(横,縦): -128,-78)のURLです。
この下のURLにアクセスすることで、西垣至剛さんの絵画作品の展覧会の会場である、ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館に行くことができます。
(※ 現在は、スマートフォンのウェブブラウザでDecentralandの仮想世界にアクセスすることはできません。ですので、デスクトップパソコンや、ノートパソコンなどで閲覧していただければとおもいます。)
※下記のURLにアクセスするときは、お使いのウェブブラウザの「プライベートウィンドウ」や「InPrivate ウィンドウ」をつかってアクセスしていただいて、表示される画面のなかにある、「Play」(プレイ開始)と書かれた赤いボタンの下にある、「Enter as Guest」(ゲストとして入場する)という文字のリンクをクリックしてください。
すると、アバター(メタバース内でのあなたの分身となるキャラクター)の設定画面になりますので、アバターの見た目を自由に選んでから、「DONE」(完了)ボタンを押してください。
そのあと、そのアバターの名前を入力して、「NEXT」(次へ)ボタンを押してください。
すると、Decentraland(ディセントラランド)のメタバース内の、ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館がある場所のすぐそばに移動します。
「ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館」(Decentraland Branch of Mingle Mangle Library)の場所のURL(地図上の位置(横,縦): -128,-78)
Decentraland
https://play.decentraland.org/?position=-128,-78
ちなみに、この「ごちゃまぜ図書館Decentraland分館」がある土地そのものが、NFT(ノンファンジブルトークン)と呼ばれるブロックチェーントークンになっています。
そのように、Decentraland内の土地は、NFT(ノンファンジブルトークン)になっているので、自由に売り買いしたり、受け渡ししたりすることができます。
(参考)
(この下のURLのページは、Decentralandのマーケットプレイス(デジタル市場)のなかの、「ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館」の区画(parcel)の、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)についてのページです。)
Decentraland - Marketplace
https://market.decentraland.org/contracts/0xf87e31492faf9a91b02ee0deaad50d51d56d5d4d/tokens/115792089237316195423570985008687907810054124066681379179609008864078566784946
ちなみに、Decentralandのメタバース(仮想世界)のなかには、NFT化された(ノンファンジブルトークン化された)(ブロックチェーントークン化された)絵画作品を飾ることもできます。
ただ、現在、「ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館」に展示されている、画家の西垣至剛さんの絵画作品は、NFT(ノンファンジブルトークン)(ブロックチェーントークン)ではありません。
ですが、ゆくゆくは、西垣至剛さんに絵を描いていただいて、それをNFT(ノンファンジブルトークン)(ブロックチェーントークン)にして、Decentralandなどの、メタバース(仮想世界)のなかに飾りたいなとおもっています。
参考: Decentralandの始め方&操作方法の説明
はじめてDecentraland(ディセントラランド)を利用するときは、この下の説明を参考にしていただくといいかもしれません。
(※ 現在は、スマートフォンのウェブブラウザでDecentralandの仮想世界にアクセスすることはできません。ですので、デスクトップパソコンや、ノートパソコンなどで閲覧していただければとおもいます。)
(※お使いのウェブブラウザの「プライベートウィンドウ」や「InPrivate ウィンドウ」をつかってアクセスしていただいたほうがいいかもしれません。)
(※ちなみに、ウェブブラウザの拡張機能として使える、Ethereum(イーサリアム)のウォレットであるMetamask(メタマスク)にログインしている状態であれば、一度作成したアバターを、そのあとも継続して使い続けることができます。また、一度設定したユーザー名も、継続して使い続けることができます。)
Decentralandのウェブサイトのトップページの右上にある「GET STARTED」(始める)と書かれたリンクを押してください。
そして、表示された画面のなかにある、「Play」と書かれた赤いボタンの下にある、「Enter as Guest」という文字のリンクをクリックしてください。
すると、アバター作成画面になるので、いろいろなパーツのなかから、好きなものを選んで、自分のアバターをつくってください。
(※「アバター」というのは、メタバース内でのあなたの分身となるキャラクターのことです。)
アバター作成が完了したら、画面の右上にある「DONE」(完了)と書かれたボタンを押してください。
そのあと、そのアバターの名前を入力して、「NEXT」ボタンを押してください。
すると、操作説明のための、チュートリアルのエリアが表示されます。そのエリアのなかで、矢印で示されているポイントを、順番にたどって行って、いろいろな操作の基本を確認したら、最後に、ゲート(門)をくぐります。ゲート(門)をくぐると、Decentralandの仮想空間に行くことができます。
Decentralandの仮想空間のなかでの、操作方法は、つぎのとおりです。
- マウス操作: カーソル移動(視点移動)。
- 左クリック: カーソルで指定したところを、操作したり、その情報を表示させたりすることができます。
- 「Esc」: Decentralandのウィンドウ内でのカーソルの操作を一時停止して、マウスでの通常操作ができるようになります。
- 「W」(または、矢印キーの「上」): 前へ進む。
- 「S」(または、矢印キーの「下」): 後ろへ下がる。
- 「A」(または、矢印キーの「左」): 左へ移動する。
- 「D」(または、矢印キーの「右」):右へ移動する。
- スペースキー: ジャンプする。
- 「v」: 一人称視点カメラと、三人称視点カメラを、切り替える。
- 「B」: コミュニケーションのための動作を選択するメニューが表示されます。選択できる動作のなかには、「手を振る」、「片手を突き上げてジャンプする」、「踊る」、などの動作があります。
- 「Shift」キー: 「Shift」キーを押しながら移動すると、移動速度がゆっくりになる。
- 「Enter」キー: チャット機能がオンになります。
- テレポート(瞬間移動)機能: チャット機能がオンになっている状態で、チャット機能の入力欄のなかに、「/goto ●●,▲▲」という形式で文字を入力してから、「Enter」キーを押すと、「マップの横軸上の位置が●●で、マップの縦軸上の位置が▲▲」の位置にある場所に、テレポート(瞬間移動)することができます。
(実例1: 「/goto 12,81」(地図上の位置(横,縦): 12, 81))
(実例2: 「/goto -49,106」(地図上の位置(横,縦): -49,106))
ちなみに、「ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館」がある場所(地図上の位置(横,縦))は、「-128,-78」です。
ですので、「/goto -128,-78」と入力して、テレポート(瞬間移動)すると、「ごちゃまぜ図書館 Decentraland分館」がある場所に行くことができます。
画家の西垣至剛さんの作品紹介
この展覧会に展示させていただいている絵画作品を描かれたのは、ぼくの知り合いの画家さんである、西垣至剛さんという方です。
ここでは、その西垣さんのことを、紹介をさせていただきたいとおもいます。
この下の写真は、画家の西垣至剛さんの展覧会にて、彼の作品などを撮影した写真です。
公式サイト
西垣至剛 Official Site
https://www.n-yoshitaka.com/
Instagram
西垣 至剛 Nishigaki Yoshitaka(@yoshitakanishigakiofficial) • Instagram写真と動画
https://www.instagram.com/yoshitakanishigakiofficial/
YouTubeチャンネル
Nishigaki Yoshitaka Official. - YouTube
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Facebookページ
西垣 至剛 - ホーム
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西垣 至剛
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西垣 至剛Nishigaki Yoshitaka
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Decentraland(ディセントラランド)の紹介
ここからは、Decentraland(ディセントラランド)のことを紹介したいとおもいます。
Decentralandというのは、ブロックチェーントークン(NFT)を活用した仮想空間(メタバース)を提供しているウェブアプリケーションです。
Decentralandの仮想都市ジェネシスシティ(Genesis City)のなかにある、絵画や芸術作品の一部や、建物が建っている土地や、仮想空間のなかでのアバターに着せる服やアクセサリーなどは、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)になっています。それらの、土地や、絵画や、服やアクセサリーなどのトークン(NFT)は、Decentralandの公式マーケットプレイス(デジタル市場)などで、売買することができます。
ですので、自分の土地を買って、そこに自分の好きな絵画や芸術作品をかざったり、自分のアバターに好きな服装を着せたり、ということもできます。
ちなみに、Decentraland以外の、
Cryptovoxelsや、
Somnium Spaceなどの、
VR空間(メタバース)を提供しているウェブアプリケーションは、
VRヘッドセットなどをつかってVR体験ができるように、VRに対応しています。
一方、Decentralandの製品開発計画(ロードマップ)を見るかぎりでは、いまのところ、DecentralandのVR対応が実現するのは、まだまだ先になるようです。
(参考: Trelloで管理されている、Decentralandの製品開発計画(ロードマップ))
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのNative, VR world Explorer | Trello
https://trello.com/c/L9PpHk5J/23-native-vr-world-explorer
「Decentralandの仮想空間を、VRで体験することができるようにする」というような機能の開発。
(優先順位: 「LATER」(後回し))
この上のURLの、製品開発計画(ロードマップ)を見ると、VR対応を実現するための作業のタスクだとおもわれる、「Native, VR world Explorer」のタスクの「カード」は、3段階ある開発プロセスのなかで、もっとも優先順位が低くて後回しになる「LATER」の「リスト」のところに入れられています。
(タスクの優先順位は、高い順から、「SOON」(今すぐ)、「NEXT」(次回以降)、「LATER」(後回し)、となっているようです。)
参考: Decentralandの製品開発計画(ロードマップ)について
これからのDecentralandの動きを知りたい場合は、一般公開されている公式な製品開発計画(ロードマップ)を見ることができます。
Decentralandの製品開発計画(ロードマップ)は、この下のURLの、Trello(トレロ)というタスク管理ツールをつかって、作成・公開されています。
(参考)
タスク管理ツール 「Trello(トレロ)」で管理されている、Decentralandの開発計画(ロードマップ)のページ
Decentraland Roadmap, 2020 and beyond | Trello
https://trello.com/b/YZnGNh5z/decentraland-roadmap-2020-and-beyond
この製品開発計画(ロードマップ)を見るかぎりでは、いまのところ、DecentralandのVR対応が実現するのは、まだまだ先になるようです。
(参考: Trelloで管理されている、Decentralandの製品開発計画(ロードマップ))
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのNative, VR world Explorer | Trello
https://trello.com/c/L9PpHk5J/23-native-vr-world-explorer
「Decentralandの仮想空間を、VRで体験することができるようにする」というような機能の開発。
(優先順位: 「LATER」(後回し))
この上のURLの、製品開発計画(ロードマップ)を見ると、VR対応を実現するための作業のタスクだとおもわれる、「Native, VR world Explorer」のタスクの「カード」は、3段階ある開発プロセスのなかで、もっとも優先順位が低くて後回しになる「LATER」の「リスト」のところに入れられています。
(タスクの優先順位は、高い順から、「SOON」(今すぐ)、「NEXT」(次回以降)、「LATER」(後回し)、となっているようです。)
この下のURLの、Trello上の「タスク」のページに書かれているように、製品開発計画(ロードマップ)のなかのタスクのひとつとして、「Decentralandのなかで、友だちや、ほかの人と、かんたんにトークン(NFT)をトレードできるようにする」というような計画が示されています。
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのIn-World Trading | Trello
https://trello.com/c/JfWGgosb/71-in-world-trading
「Decentralandの仮想空間のなかで、友だちや、ほかの人と、かんたんにトークン(NFT)をトレードできるようにする」というような機能の開発。
(優先順位: 「NEXT」(次回以降))
Decentralandは、「ほかのユーザーとのインタラクションや、コミュニケーションや、ソーシャル体験を高める」という、大目標を達成するために、いろいろな機能の開発を計画しているようです。
この下の複数のURLの、Trello上の「タスク」のページは、そうした、ユーザー同士のコミュニケーションを高めるための、複数の機能の開発についての計画が示されているページです。
(参考)
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのGuilds / Groups | Trello
https://trello.com/c/n8iNUh8N/72-guilds-groups
「DAO(分散型自律組織)としての、ギルドやグループをつくることができる」というような機能の開発。
(優先順位: 「NEXT」(次回以降))
(※ DAO(分散型自律組織)というのは、「Decentralized Autonomous Organization」ということばの頭文字をとった略称です。DAOは、日本語に翻訳すると、「分散型自律組織」や、「非中央集権型自律組織」などといった言葉になります。)
(参考)
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのFind and make friends in-world | Trello
https://trello.com/c/LyvN0nkL/7-find-and-make-friends-in-world
「はじめて出会う人たちと、かんたんにつながることができる、友だちになれる」というような機能の開発。
(優先順位: 「SOON」(今すぐ))
(参考)
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのAsk friends to teleport to your location. | Trello
https://trello.com/c/3UZjicNR/50-ask-friends-to-teleport-to-your-location
「友だちにメッセージを送って、自分がいる場所まで、レポート機能をつかって来てもらうことができる」というような機能の開発。
(優先順位: 「NEXT」(次回以降))
(参考)
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのHost event on your parcel using in-app discovery channel for activities | Trello
https://trello.com/c/x2ryrcot/49-host-event-on-your-parcel-using-in-app-discovery-channel-for-activities
「Decentralandのなかで開催されている最新のイベントを知ることができる(イベントの告知をすることができる)チャンネルをつくる」というような機能の開発。
(優先順位: 「NEXT」(次回以降))
(参考)
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのEasy and robust multiplayer functionality in a scene | Trello
https://trello.com/c/B5lGoEEZ/56-easy-and-robust-multiplayer-functionality-in-a-scene
「複数のプレーヤーが、同時に、おなじ体験をすることができるようにする」というような機能の開発。
(優先順位: 「NEXT」(次回以降))
(参考)
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのAmbassadors Program | Trello
https://trello.com/c/YNAWV2bp/79-ambassadors-program
「ユーザーコミュニティに属している人が、Decentralandの『アンバサダー』(「大使」(広報活動をおこなう人))となって、Decentralandをはじめて利用する人にたいして、一対一でDecentralandの使い方の説明や案内などをする」というような機能の開発。
(優先順位: 「LATER」(後回し))
参考: Decentralandの非中央集権的な投票システムのDAppである「Agora」について
ちなみに、Decentralandでは、「Agora」という名前の、非中央集権的な投票システムのDApp(分散型アプリケーション(decentralized application))をつかって、Decentralandのユーザーのコミュニティに属している人たちの投票によって、方針が決められています。
(参考: 「Agora」について書かれているページ)
Decentraland Roadmap, 2020 and beyondのAgora - Decentralized voting dApp | Trello
https://trello.com/c/WAZMOmit/59-agora-decentralized-voting-dapp
(参考: Decentralandのウェブサイトのなかの、「Agora」のページ)
Agora | Decentraland
https://agora.decentraland.org/
参考: Decentraland(ディセントラランド)の紹介記事
下記のリンクの記事は、Decentraland(ディセントラランド)を紹介している記事です。
もし興味があれば、下記のリンクの記事もご覧いただくと、Decentraland(ディセントラランド)について、より多くのことを知ることができるとおもいます。
「Decentraland(ディセントラランド)のメタバース: たくさんの芸術作品がある美術館地区や、ショッピングモールや、寺社仏閣がある仮想都市ジェネシスシティ」「心が命じたこと」を可能にする「通貨」
"Follow your bliss"
「己の内に潜む喜びを求めよ」
―― ジョーゼフ・キャンベル (Joseph Campbell) [7] [8]
「心が命じたことは誰も止められない」
―― リクの言葉『KINGDOM HEARTS III』 [9]
この地球上には、世界中の人間がしてもしきれないほどの仕事(Work)がある。だが、雇用(Job)は別の話だ。雇用とは、「主にお金を得るために、つまり生活のために人々が行う活動」のことである。仕事はそれと違い、「主にその活動そのものが好きで、それによって自分の情熱を表現できることから得られる喜びを求めて行うこと」である。
〔中略〕
協働経済には、充分な補完通貨で支払われる、ありとあらゆる「仕事」がある。
―― ベルナルド・リエター「仕事を可能にする通貨」, 『マネー崩壊 : 新しいコミュニティ通貨の誕生』 [10]
Decentralandは、NFT(ノンファンジブルトークン)と呼ばれるブロックチェーントークンを活用した仮想空間(メタバース)を提供しているウェブアプリケーションです。
参考記事:NFT(ノンファンジブルトークン)をつくって「値打ちのあるもので、ファンと、たのしく!」: ブロックチェーンによるトークンエコノミーと、みんなのためのキャピタルマーケット(資本市場)
ここからは、NFTは、「値打ちのあるもので、ファンと、たのしく!」ということを実現するための道具として、どんなことにつかえるのか、ということについて、考えていきたいとおもいます。
ちなみに、この下の引用文は、『マネー崩壊 : 新しいコミュニティ通貨の誕生』という本のなかの、「仕事を可能にする通貨」という章のなかで語られている話です。
この下の引用文のなかで語られている話は、おおまかに言うと、「たとえ、社会的に価値がある活動であっても、これまでのお金のしくみのもとでは、なかなかできなかったような活動を可能にするような、新しいお金のしくみ」についての話です。
この地球上には、世界中の人間がしてもしきれないほどの仕事(Work)がある。だが、雇用(Job)は別の話だ。雇用とは、「主にお金を得るために、つまり生活のために人々が行う活動」のことである。仕事はそれと違い、「主にその活動そのものが好きで、それによって自分の情熱を表現できることから得られる喜びを求めて行うこと」である。
〔中略〕
私たちが仕事をするとき、その労働と引き換えにお金を支払いたいという雇い主が現れれば、雇用が成立する。しかし、そのような雇い主が常に現れるわけではない。これはもちろん、雇い主が私たちを雇うだけのお金を充分持っていないからで、私たちはこれをしごく当然のことに考えている。しかし、お金が「常に充分にあるわけではない(つまり、希少な存在である)」ことのそもそもの理由は何だろうか。もし国家通貨が不足しており、雇用が提供できないというのなら、私たちが自分たちでそれを補うために充分な量のお金を生み出し、より多くの「仕事」にお金を支払えるようにしたら――と言ったら、あまりに単純で、突飛に聞こえるかもしれない。
それでもこれが、世界中の多くのコミュニティで実際に行われていることである。しかも、そのような試みはインフレーションを予防しながら実際に効果を発揮している。
〔中略〕
その「生産手段」が知識へと移行するなかで、この現実を捉えるような政治・経済の言葉はいまだ生まれていない。
それなら、マネーの枠組みそのものを変えてしまうのはどうだろう。
〔中略〕
あなたのコミュニティには、全員が一生かけても終わらないほどの仕事がある。それも、私たちの想像力を必要とする仕事である。もしかして、私たちは、お金がなくなることを恐れるあまり、仕事までなくなると考えるようになってしまってはいなかっただろうか。私たちはどうすればよいのだろうか。
その答を一言で表すと次のようになる。「国家通貨が果たさない、或いは果たすことのできない社会的役割を果たせるように設計した補完通貨をつくる」。
〔中略〕
想像してほしい。もし、相互に補完しあう二つの経済システムが平行して機能できるとしたら、そこにどのような可能性が開けるだろう。
一つの経済システムは、国家通貨制度によって推進されるグローバルな競争経済であり、もう一つは、補完通貨が推進する地域の協働経済である。競争経済には、希少な国家通貨で支払われる、私たちのよく慣れ親しんだ「雇用」がある。協働経済には、充分な補完通貨で支払われる、ありとあらゆる「仕事」がある。失業や不完全雇用は、人々が進んで行うコミュニティ活動に補完通貨が支払われることによって解決されるかもしれない。大抵の人は、両方の経済に自分の時間を費やすことだろう。または、家族のなかでも、グローバルな競争経済の輪の中で雇用されるものもいれば、主に地域の協働経済の仕事を行う人もいるというようになるかもしれない。願わしくはいずれも、内なる喜びを求めた結果として仕事が雇用と一致していることだろう。
そのようなことが可能になるのが、これまでの競争経済と地域の協働経済によって成立する「経済の全体像」(第九章に詳述)と呼ぶ世界である。前者が金融資本(financial capital)を、後者が社会資本(social capital)を生み出し、この二つは図5-2に示すような共生関係のなかに調和する。
これまでの経済が無視しがちだった側面をきっちりと評価するという意味で、私は「全体像」という言葉を使っている。
〔中略〕
補完通貨の使用はあくまで一人ひとりの選択である。この新たな道具によって、新たな富が創出される。そして一度機能し始めれば、これまで補助金や税金に頼り切っていた多くの社会問題対策を完全に自立したメカニズムに変えることができるのである。
(ベルナルド・リエター「仕事を可能にする通貨」, 『マネー崩壊 : 新しいコミュニティ通貨の誕生』) [11] [12]
ぼくがNFTに興味をもった理由
ぼくがNFTに興味をもった理由のひとつは、「個人が、研究や、創作や、価値提供のための活動資金を得る方法として、NFTをうまくつかうと、おもしろい資金の集めかたができそうだな」、とおもったからです。
ちなみに、ここで言う、「研究や、創作や、価値提供」については、以前に、べつの記事でお話したことがある、「まなぶ」「つくる」「わかちあう」という3つのことについての話をご覧いただければとおもいます。
(なお、上記のリンクの記事は、システムの設定上、ひとつの記事のなかに書くことができる最大文字数に達してしまっています。そのため、これ以上は、書き足したくても書き足すことができません。そのため、ところどころ、中途半端な文章になっているところもありますが、ご了承いただければとおもいます。)
それらの活動に費やすことができる時間やお金などの資源を得るための方法のひとつの例として、おおまかに分けて、つぎの2種類の資金調達の方法についてかんがえています。
- 1.長期的に活動をつづけていくための資金を継続的に得るために、月額課金の仕組みをつくる(月額課金制の会員サイトや、月額課金型のクラウドファンディングのような仕組みをつくる)。
- 2.短期的にまとまった資金を得るために、単発的な資金集めをおこなう。(言うなれば、個人版のICO(イニシャル・コイン・オファリング)(クラウドセール)のようなことや、単発の購入型(先行予約販売型)のクラウドファンディングのようなことをする。)
1つ目の資金調達の方法は、毎月活動をつづけていくために必要な資金を、継続に得るための方法だといえるだろうとおもいます。
2つ目の資金調達の方法は、ある一定のまとまった金額の出費が必要なときや、イベント的・催し物的なことをするために資金が必要なときなど、単発的に資金を集めるための方法、だといえるだろうとおもいます。具体的には、たとえば、つぎのようなときに、2つ目の単発的な資金調達の方法をつかいたいな、とおもっています。
- 各地の名所旧跡などを調査・研究するために、その現地へ行くための、旅費交通費が必要なとき。
- 研究成果をまとめた本を、電子書籍として出版するときに、画家のかたに、その本の表紙の絵を描いてもらうために資金が必要なとき。
- 創作や調査・研究のためにつかう、パソコンや、周辺機器や、撮影機材などを買うための資金が必要なとき。
自分の研究テーマにまつわる、収集価値のあるトークン(NFT)を提供する
さきほどお話した、2つ目の、単発的な資金調達をするときに、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)をつくって、それを売ることで、資金調達ができないかなとおもっています。
このことについてのお話をさせていただく前に、ぼくが、いま、具体的に、どんな活動をしていて、その活動資金を得るためのトークン(NFT)として、どのようなものをつくろうとおもっているのか、ということを、お話させていただきたいとおもいます。
ぼくは、いま、現存最古の酒呑童子説話をつたえる『大江山絵詞』(香取本 [13])という絵巻物について、研究しています。
その香取本『大江山絵詞』の絵巻物について研究するなかで、それにまつわる、いろいろな説話や、伝説や、神話、などについての情報もたくさんはいってきます。そして、その研究の成果をお話するときは、そうした、説話や、伝説や、神話、などについてもお話することになります。
ちなみに、研究がある程度進むごとに、それまでの研究成果をまとめて、電子書籍として、出版しようとおもっています。ですので、それらの電子書籍のなかでも、研究テーマにまつわる、いろいろな説話や、伝説や、神話、などの話もすることになります。
そうした、説話や、伝説や、神話などの話のなかには、神々や、怪物や、英雄や、妖怪などが登場します。また、それらの説話や、伝説や、神話などにまつわる、寺社仏閣や、建造物や、石碑や、景勝地や、景色などの、名所旧跡がたくさんあります。そうした名所旧跡のなかには、伝説のなかに存在するものだけではなく、かつて現実世界に存在したものや、現在も現地に存在している名所旧跡もたくさんあります。
ぼくは、そういった、自分の研究テーマである、「酒呑童子の説話」にまつわる、説話や、伝説や、神話などの話のなかに登場する、神々や、怪物や、英雄や、妖怪といった「登場人物たち」や、そうした物語の舞台となっている、寺社仏閣や、建造物や、石碑や、景勝地や、景色といった名所旧跡などの、絵画、あるいは、写真などの、デジタル画像を、トークン化(NFT化)しようとおもっています。
こうした、説話や、伝説や、神話にまつわる、「登場人物たち」や、名所旧跡などの画像のトークン(NFT)は、収集価値のあるトレーディングカードのようなものにしたいとおもっています。たとえるなら、つぎのような、収集価値のある「コレクショングッズ」や、「シリーズもの」(連作)のようなものにしたい、ということです。
- トレーディングカード・ゲームの「マジック:ザ・ギャザリング」のカードのように、神々や、怪物、妖怪などの「登場人物たち」の絵が描かれたトレーディングカード
- 葛飾北斎の『富嶽三十六景』の名所絵集のシリーズの絵のような、名所旧跡の絵画
こうした、「ついつい、コンプリートしたくなって、集めてしまう」ような、コレクター心をくすぐるような、収集価値のあるトークン化(NFT化)をつくりたいとおもっています。
このように、自分の研究テーマにまつわるモノゴトを、収集価値のあるトークン(NFT)にすることで、つぎのような利点がうまれるのではないかとおもいます。
- そのトークン(NFT)に収集価値があれば、もし、トークン(NFT)を買ってくれた人が、あとでそれを売りに出そうとしたときにも、それを買いたがる人が見つかりやすくなるだろうとおもいます。
- ぼくの研究の内容に興味をもってくれている人たちにとっては、そのトークン(NFT)は、興味のある分野にまつわる内容のものになります。そのため、そのトークン(NFT)は、その人たちにとって、「手に入れたい」とおもってもらえるような魅力のあるものになるだろうとおもいます。
- トークン(NFT)にする絵画を描いてもらった画家さんが、のちに高い評価を得るようになれば、そのトークン(NFT)の市場価値が上がる可能性があるだろうとおもいます。
- そのトークン(NFT)の発行者である、ぼく自身が、のちに高い評価を得るようになれば、そのトークン(NFT)の市場価値が上がる可能性があるだろうとおもいます。
- そのトークン(NFT)の市場価値が上がる可能性があれば、投資対象を探している人たちにとっては、値上がり益(キャピタルゲイン)が期待できる投資対象として認識してもらえるのではないかとおもいます。そうなれば、ぼくの活動の研究テーマに興味をもってくれている人たち以外の人たちからも、ひろく資金を集めることができるのではないかとおもいます。
- そのトークン(NFT)の内容のもととなった研究テーマは、その研究テーマについての研究成果をまとめた電子書籍のテーマでもあります。ですので、その研究テーマにまつわるトークン(NFT)を発売すること自体が、おなじ研究テーマについての電子書籍を宣伝することにもつながります。また、その逆に、その研究テーマの研究成果をまとめた電子書籍を発売すること自体が、おなじ研究テーマにもとづく内容のトークン(NFT)を宣伝することにもつながります。
ちなみに、こうした、収集価値のあるトークン(NFT)をつくるときに、その絵柄にする絵は、知り合いの画家さんである、西垣至剛さんという人に描いていただきたいなとおもっています。
ちなみに、西垣さんご本人には、ヨタ話的に、絵を描いていただくお願いができるかどうか聞いたりしたことはあります。ですが、トークン(NFT)の絵を描いてもらうということについては、まだ、ぼくの勝手な妄想の段階なので、実際に、西垣さんに絵を描いてもらえるかどうかはわかりません(汗)。
その西垣至剛さんという画家さんについては、上のほうで紹介させていただいているので、そちらもご参照ください。
購入型(先行予約販売型)のクラウドファンディングに足りないもの
活動資金を得るための方法のひとつとして、購入型(先行予約販売型)のクラウドファンディングは、すばらしい選択肢のひとつだとおもいます。ただ、購入型(先行予約販売型)のクラウドファンディングには、欠点があるとおもいます。その欠点というのは、「たくさんの人たちを応援すればするほど、どんどん応援できなくなっていく」という点です。言い換えると、「たくさんの人たちを応援すればするほど、応援した人が金銭的に貧しくなってしまう」ということです。
もちろん、そのようなかたちになっていることが、かならずしも、問題であったり、悪いことであったりするわけではありません。ですが、できることなら、「たくさんの人たちを応援すればするほど、もっとたくさんの人たちを応援できるようになる」といったかたちや、「たくさんの人たちを応援すればするほど、応援した人が金銭的にも豊かになっていく」といったかたちになっていたほうが、より望ましいのではないかなとおもいます。
なぜなら、そのように、「たくさん応援する人のもとに、好循環がうまれる」というかたちになっていれば、「応援の輪」がどんどんひろがっていって、たくさんの人たちが、たがいに応援し合う、という社会になっていくことができるんじゃないかなとおもうからです。
そのような、「応援の好循環によって、応援の輪がひろがる」というかたちをつくるための方法のひとつとして、「活動資金を出してくれた応援者にたいするリターンとして、トークン(NFT)をわたす」、という方法があるのではないかとおもいます。
このとき、応援者にわたすものが、なぜ、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)なのかという理由は、つぎのとおりです。
ひとことで言うと、トークン(NFT)に、ベンチャー企業のストックオプションのような役割をしてもらうことができるのではないか、ということです。
ベンチャー企業などの株式会社の場合は、自社のストックオプション(株式)を、従業員の人たちに提供することができます。その株式会社の株価が上がれば、従業員の人たちがもっているストックオプション(株式)の価値も上がります。そのことが誘因(インセンティブ)となって、従業員の人たちは、その株式会社の評価を上げるために、がんばって働こうとするようになります。このように、従業員の人たちにストックオプションを提供することによって、その株式会社は、そこではたらく従業員の人たちとの、長期的な利害関係を一致させることができます。それによって、その株式会社と、そこではたらく人たちは、その会社を成長させるという、おなじ目標にむかって一致団結することができます。そうして、その株式会社の株価が上がると、従業員の人たちも、株主の人たちも、両方うれしい、という双方にとってよい関係がうまれます。
この、「株式会社におけるストックオプション」とおなじように、資金を提供してくれる人たちにトークン(NFT)をわたすことで、双方にとってよい関係がうまれるのではないかとおもいます。
具体的には、資金を提供してくれる人たちに、ぼくの研究テーマについてのトークン(NFT)をわたすことで、その人たちのなかに、そのトークン(NFT)の市場価値を上げようという誘因(インセンティブ)がうまれます。その結果、トークン(NFT)を買ってくれた人たちと、そのトークン(NFT)のテーマとなった研究をしているぼくの、双方の長期的な利害関係を一致させることができるのではないかとおもいます。そうなれば、そのトークン(NFT)を買ってくれた人たちは、さらに積極的に応援してくれたり、自発的にクチコミや宣伝をひろめてくれるようになるのではないかとおもいます。その結果、ぼくの創作物に対する評価が高まったり、評判がひろまったりすれば、その分だけ、そのトークン(NFT)の市場価値もあがるのではないかとおもいます。そうなれば、そのトークン(NFT)を買ってくれた人たちも、ぼくも、両方うれしい、という双方にとってよい関係がうまれるのではないかとおもいます。
そうして、ぼくを応援してくれた人たちが、トークン(NFT)というかたちの資産をもつことで、金銭的に豊かになることができれば、その人たちは、さらに、ほかの人たちを応援することもできるようになっていくのではないかとおもいます。そうして、たくさんの人たちを応援する人ほど、トークン(NFT)というかたちの資産が増える、という状態をつくることができるのではないかとおもいます。
そうなれば、たくさんの人たちを応援する人ほど、つぎに応援するための原資となる資産(もっているNFTの合計価値)が増えることになります。
そして、もっているNFTの合計価値が増えれば、もっとたくさんの人たちを応援することができるようになります。
それによって、応援するための原資となるトークンの資産がさらに増えることになり、さらにたくさんの人たちを応援することができるようになっていきます。
こうして、好循環が生まれるのではないか、と妄想しています。
社会全体がそのようなかたちになっていけば、「応援の輪」がどんどんひろがっていき、たくさんの人たちが、たがいに応援し合う、という社会になっていくことができるのではないだろうか、というようなことを、妄想したりしています。
長期投資家が「利益を再投資して複利効果で資産の価値を増やしてほしい」と考えるように、「アーティストに時間とお金をさらなる作品制作に回してもらい、複利効果で作品価値(トークン(NFT)の市場価値)を増やしてほしい」
長期投資家は、「株主に対する配当金として資金を放出するよりも、その資金を再投資に回すことで、会社の価値(株価)を上げるためにつかってほしい」と考えるといいます。
それとおなじように、「クラウドファンディングのリターンを提供するために、時間や労力や資金を費やすよりも、リターンはいらないので、その時間や労力や資金を、あなたの作品の価値(トークン(NFT)の市場価値)を上げるためにつかってほしい」とおもいます。
もし、クラウドファンディングのリターンが、一過性のものであったとしたら、その一過性のものを提供するために、時間や労力や資金を費やすよりも、応援する人たちと、応援される人の、両方にとって、長期的な利点があるようなトークン(NFT)を提供するほうが、おたがいにとって、よりよいことなのではないかとおもいます。
「オマハの賢人」として有名な投資家であるウォーレン・バフェットという人がいます。ウォーレン・バフェットは、企業は株主に対して配当金を支払うべきではないと考えているそうです。その理由のひとつは、配当金として資金を放出せずに、その資金を再投資に回したほうが、複利効果によって、最終的に資産の価値がはるかに大きくなるからです。
この下の引用文は、『バフェットとソロス勝利の投資学』という本のなかで語られている、「投資先の会社が得た利益は、配当金として放出するよりも、再投資に回すことで、複利効果で資産の価値を増やすほうがよい」という、ウォーレン・バフェットの投資哲学についての話です。
(※ つぎの一文は、この下の引用文のなかにでてくる「ROE(自己資本利益率)」という言葉についての説明です。(ROE(自己資本利益率)とは、)「自己資本がどれだけ効率的に使われているかを見るもので、これが高いほど収益力が高いことになる。」 [14])
バフェットが配当を支払わない理由
ウォーレン・バフェットがバークシャー・ハサウェイのハンドルを握って以来、同社が配当を支払ったのは一年だけである。バフェットはそのことを「ちょっとトイレにでも行って席をはずしてたんだろう」とごまかす。バークシャーは配当を支払わない。バフェットも配当が嫌いだ。なぜだろう?
〔中略〕
会社が配当を支払わなければ、〔中略〕会社は内部留保した利益をROEで再投資するので複利効果が得られる。バフェット基準の会社なら、内部留保で毎年一五%以上の利益を得る。配当を貰って四四~五五セントしか手元に残らない株主がそれと同じリターンを得るには、ROEが二〇%以上の会社を見つけなければならない。〔中略〕彼が配当を受け取るのも嫌うのは、すでに買っている会社にそれを置いておけば複利効果が得られるからである。
(マーク・ティアー「バフェットが配当を支払わない理由」, 『バフェットとソロス勝利の投資学』) [15]
NFT(ノン・ファンジブル・トークン)の用途についての試案
NFT(ノン・ファンジブル・トークン)を活用することで、つぎのようなことができるのではないかとおもいます。
これらは、あくまでも、ざっくりとしたアイデア段階の試案ですので、内容が重複するものがあったり、現実的ではないものや、できないこともあったりするかとおもいますが、ご了承いただければとおもいます。
- トークン(NFT)を、メンバーシップサイト(会員サイト)にはいることができる「通行許可証」にする。
- トークン(NFT)を買ってくれた人限定の特典の受け渡しのために、トークン(NFT)を利用する。そのトークン(NFT)を買ってくれた人(もっている人)だけがアクセスすることができるウェブページをつくって、そのなかで、特典を受け取れるようにする。
- 一度、購入したアクセス権のトークン(NFT)は、あとでいらなくなったら、転売することもできます。たとえば、あるオンライン講座のコースのアクセス権(トークン(NFT))を購入して、その講座の内容を学習し終えたあとは、そのオンライン講座へのアクセス権を、ほかのだれかに売る、ということができます。
- 月額課金サービスの利用者に、毎月ひとつ、トークン(NFT)を提供する。さらに、月額課金サービスを、12ヶ月間継続してくれた人に、シークレットの13枚目のトークン(NFT)をプレゼントする
- トークン(NFT)を、会員限定サイトへの「入場許可証」としてつかうことで、複数人でログインパスワードを共用するかたちの不正を、減らすことができるのではないかとおもいます。なぜなら、「入場許可証」であるトークン(NFT)が入っている「ウォレット」は、いわば「財布」だからです。自分の財布を、ほかの人たちと共用するような人は、あまりいないだろうとおもいます。ですので、「ウォレット」の共用、つまり、会員限定サイトへの「入場許可証」であるトークン(NFT)の共用をする人は、あまりいないだろうとおもいます。
- トークン(NFT)を、タロットカードや、和歌が書かれた百人一首のかるたのようなかんじにして、トレーディングカードのような、収集価値のあるようなものにする。
- OpenSeaでは、ガシャポンなどのように、ある一定のものなかから、なにが得られるかはランダムに決まるという、ルートボックス(lootbox)、つまり、ボックスガチャのようなトークン(NFT)をつくることができます。
- OpenSeaでは、トークン(NFT)を、「バンドル」して、ひとつにまとめてセット販売することもできます。
- 画像ファイル以外にも、ドキュメントや記事などの文章やテキストデータや、PDFファイルなども、トークン(NFT)にすることができるようです。
- もし、仮に、現時点では、希望する機能をもったトークン(NFT)をつくることができなかったとしても、あとから、環境がととのってきたたときに、新しい機能(効用)をもったトークン(NFT)をあらたにつくって、それを、以前に配布したトークン(NFT)をもっている人に対して、配布すればいいのではないかとおもいます。
- あるテーマにもとづいてつくられた、シリーズものの複数のトークン(NFT)をつくります。そして、そのシリーズのすべてのトークン(NFT)を購入してくれた人にだけ、特典として、特別な絵柄のトークン(NFT)を、無料で付与する(プレゼントする)、ということができたらおもしろいなとおもいます。なお、その「特別な絵柄のトークン(NFT)」は、一般販売はしない「非売品」のようなかたちにしたいとおもっています。そのようなかたちにすることで、「特定の条件を満たした人しか手に入れることができないシークレットアイテム」のようなかたちにする演出をしたいとおもっています。
(ちなみに、その「非売品」のトークン(NFT)を手に入れた人は、それをマーケットプレイス(デジタル市場)などで、販売することができることになるとおもいます。つまり、その「非売品」のトークン(NFT)は、「一般販売」のようなかたちで販売されることはありませんが、「転売」されているものを買うことはできる、ということです。) - トークン(NFT)が転売(二次流通)されたときにも、売買金額の一部が作者(トークン(NFT)の発行者)に還元される仕組みを組み込むことができるようです。たとえば、BlockPunkや、Anique(アニーク)や、MakersPlace(メイカーズプレイス)には、そうした仕組み(追及権のような仕組み)があります。
(参考)
BlockPunkについて
https://blockpunk.net/jp/about
(参考)
Anique(アニーク) | デジタルなのに世界にひとつ
https://anique.jp/
(参考)
イーサリアムERC-721活用、映像作品のアートワーク所有権売買サービスが始動 ~所有権はアニークのサービス内で取引可能。売買金額の一部を制作者に還元 - 仮想通貨 Watch
https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/news/1183562.html
「利用者間の二次流通を含め、売買金額の一部がアートワークの制作者に還元される仕組み」
(参考)
MakersPlace(メイカーズプレイス)
MakersPlace - Create and Sell your Unique Digital Creations
https://makersplace.com/creators/
「You'll also earn 5% every time your works are re-sold.」
(参考)
追及権とは? – 日本美術著作権協会JASPAR
http://jaspar.or.jp/droit-de-suite
1.追及権とは – 日本美術著作権協会JASPAR
http://jaspar.or.jp/20180416-2
(参考)
追及権 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%BD%E5%8F%8A%E6%A8%A9
「自分の人生の旅路を自由に操れるように」
神よ、他人のつくりし負債のために、われをして償わしむることなかれ。いまだ輝かざる暁紅の数は実に多かり。定めよ、ヴァルナよ、それら多くの暁紅にわれら生存してあることを。
―― 「ヴァルナの歌」, 『リグ・ヴェーダ』 [16]
思想を織るわが糸の断たるることなかれ。工匠の規矩の、時満つるまえに、毀たるることなかれ。
―― 「ヴァルナの歌」, 『リグ・ヴェーダ』 [17]
この下の引用文は、『マネー崩壊 : 新しいコミュニティ通貨の誕生』という本のなかに掲載されている、「著者のベルナルド・リエターさんが、友人に宛てて書いた手紙」のなかで語られている、「(本質的な意味での)豊かさをもたらす、お金のしくみ」についての話です。
あなたは、私が人類の未来についていつも楽観的だったわけではなかったことを知っているだろう。また、あなたは、核爆発を常に恐れる時代を生きるくらいなら子どもを持たないほうがよいと考えたほど私が「現実的」であることも知っているだろう。したがって、現在の私の夢を告白するとあなたは驚くかもしれない。私が夢見ているのは、「持続可能な豊かさ」の時代、私たちの使用する“マネー”が人間と一体となることを可能にする時代である。
それはつまり、この世界に生まれてくる赤ん坊が例外なく、自分の使命を見つけることを主な関心事にし、自分の人生の旅路を自由に操れるようになることである。私は思うのだ――天才が稀にしか出ない主な理由は、もしかしたらその人がどの分野における天才なのか誰かが気づく前に、その才能を殺してしまうからではないだろうか? また、自分が本当になりたいものを発見した人のうちの何人が、その可能性を最大限に引き出す方法を学ぶ機会や余裕を持ち合わせることができているだろう? もしかしたら、自分たちを追い込んだ籠の中から私たちがもう一度飛び立つためには、私たち一人一人のなかからできる限り多くの天才を引き出さなければならないのかもしれない。
もし、私たちが何世紀も信じてきた、「そもそも自然界に資源が不足している」ということが万が一間違っていたとしたら? もしかしたら、私たちは自分たちの使っているマネーシステムによって集団的に催眠をかけられていて、本当は私たちの恐れている「不足」をつくり出している張本人がマネーシステム自身であるということはないのだろうか? 私たちが学ぶことのできる量や、内側から引き出し楽しむことのできる情熱、創造力、美しさに限界はあるのだろうか? もし仮に、世界中の庭という庭が、日本の伝統的な庭園のように愛情と精緻をもって大切にされているとしたら? もし、全ての子どもたちが、自分の分野で最高のアドバイザーに励ましてもらえるとしたら? もし、町という町のどの通りも芸術作品であるとしたら? もし、限界というものが現れるのは、私たちが「仕事(work)」を「雇用(job)」に変えてしまうときだとしたら? 私たちは、そもそも無限にある「仕事」を、わざと不足にしている通貨と交換しようとしているのではないか? なぜ、私たちは、「人間がそのために働く」のではなく、「それが人間のために働く」ようなマネーシステムを考案できないのだろうか?
(ベルナルド・リエター「親愛なるピエールへの手紙」, 「「持続可能な豊かさ」シナリオ」, 『マネー崩壊 : 新しいコミュニティ通貨の誕生』) [18] [12]
参考: そのほかのメタバース(仮想空間)
Somnium Space(ソムニウムスペース)のメタバース(仮想空間)
Somnium Space(ソムニウムスペース)というメタバース(仮想空間)については、下記の記事をご参照ください。
「Somnium Space(ソムニウムスペース)のVR空間(メタバース)で展覧会を開催して、西垣至剛さんの絵画作品を展示してみました in ごちゃまぜ図書館分館」Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)のメタバース(仮想空間)
Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)というメタバース(仮想空間)については、下記の記事をご参照ください。
「Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)のメタバース: 街のなかの、土地・建物や、絵画や芸術作品などの、いろいろなものがトークン(NFT)になっている仮想都市オリジンシティ」参考: NFT(ノンファンジブルトークン)をつくって「値打ちのあるもので、ファンと、たのしく!」: ブロックチェーンによるトークンエコノミーと、みんなのためのキャピタルマーケット(資本市場)
この記事は、もともと、この下のリンクの記事のなかでお話している、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)や、トークンエコノミーや、ブロックチェーントークン、などについてのお話の一部として、つくったものです。
ですので、この下のリンクの記事をご覧いただき、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)について知っていただくことで、この記事の内容をよりふかくかんじていただくことができるのではないかとおもいます。
NFT(ノンファンジブルトークン)をつくって「値打ちのあるもので、ファンと、たのしく!」: ブロックチェーンによるトークンエコノミーと、みんなのためのキャピタルマーケット(資本市場)
https://wisdommingle.com/nft-non-fungible-token-blockchain-token-economy-and-capital-market-for-everyone/
ちなみに、ブロックチェーントークン(NFT)を活用した仮想空間(メタバース)を提供しているウェブアプリケーションの代表的なものとしては、つぎの3つがとりあげられることが多いようです。
- Decentraland(ディセントラランド)
- Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)
- Somnium Space(ソムニウムスペース)
(Cryptovoxelsや、Somnium Spaceについては、この上のリンクのページのなかで紹介していますので、そちらをご覧ください。)
「これ好奇のかけらなり、となむ語り伝へたるとや。」
- 出典: 梅棹忠夫 (1985年) 「文明のアヴァンギャルドたれ」, 「博物館は未来を目指す」, 『メディアとしての博物館』, 石毛直道 [ほか](編集), (1991年), 『梅棹忠夫著作集 第14巻 : 情報と文明』, 中央公論社, 502~503ページ. [Back ↩]
- このスライドショーの写真は、2019年7月に筆者が撮影した写真です。 [Back ↩]
- 参考: 「法然院のホームページ」. [Back ↩]
- この写真は、2019年7月に筆者が撮影した写真です。 [Back ↩][Back ↩][Back ↩][Back ↩]
- 参考: 「Decentraland Public Launch | Decentraland」. [Back ↩]
- 参考: 「Decentraland Public Launch - YouTube」. [Back ↩]
- ジョーゼフ・キャンベル (Joseph Campbell) "Follow your bliss". [Back ↩]
- 参考: 「(1) ジョセフ・キャンベルの言葉“己の内に潜む喜びを求めよ(Follow your bliss)”から。」(出典: ベルナルド・リエター(Bernard A. Lietaer)(著者), 小林一紀(翻訳), 福元初男(翻訳) (2000年) 「注 (1)」, 「第五章 仕事を可能にする通貨」, 「第Ⅱ部 自分のお金を選ぶ」, 『マネー崩壊 : 新しいコミュニティ通貨の誕生』, 日本経済評論社, 193ページ.) [Back ↩]
- 「心が命じたことは誰も止められない」. 出典: リクの言葉 『KINGDOM HEARTS III』. [Back ↩]
- 出典: ベルナルド・リエター(Bernard A. Lietaer)(著者), 小林一紀(翻訳), 福元初男(翻訳) (2000年) 「第五章 仕事を可能にする通貨」, 「第Ⅱ部 自分のお金を選ぶ」, 『マネー崩壊 : 新しいコミュニティ通貨の誕生』, 日本経済評論社, 148~149ページ, 168ページ. [Back ↩]
- 出典: ベルナルド・リエター(Bernard A. Lietaer)(著者), 小林一紀(翻訳), 福元初男(翻訳) (2000年) 「第五章 仕事を可能にする通貨」, 「第Ⅱ部 自分のお金を選ぶ」, 『マネー崩壊 : 新しいコミュニティ通貨の誕生』, 日本経済評論社, 148~149ページ, 150ページ, 166ページ, 167ページ, 168ページ, 193ページ. [Back ↩]
- 引用文のなかの太文字や赤文字などの文字装飾は、引用者によるものです。 [Back ↩][Back ↩]
- 「香取本」というのは、「香取神宮本」の略称です。もともと、『大江山絵詞』は、香取神宮の宮司家が所蔵していたものなので、このような通称で呼ばれています。[Back ↩]
- 出典: 「ROE(アールオーイー)とは - コトバンク」. [Back ↩]
- 出典: マーク・ティアー(著者), 望月衛(翻訳), (2005年) 「バフェットが配当を支払わない理由」, 「第8章 稼いだ一セントも節約した一セントも同じ」, 「第1部 バフェットとソロスに学ぶ「成功する投資の習慣」」, 『バフェットとソロス勝利の投資学 : 最強の投資家に共通する23の習慣』, ダイヤモンド社, 139ページ. [Back ↩]
- 参考文献: 辻直四郎(翻訳) (1970年) 「九」, 「その二(二・二八)」, 「ヴァルナの歌」, 『リグ・ヴェーダ讃歌 (岩波文庫)』, 岩波書店, 127ページ. [Back ↩]
- 参考文献: 辻直四郎(翻訳) (1970年) 「五」, 「その二(二・二八)」, 「ヴァルナの歌」, 『リグ・ヴェーダ讃歌 (岩波文庫)』, 岩波書店, 126ページ. [Back ↩]
- 出典: ベルナルド・リエター(Bernard A. Lietaer)(著者), 小林一紀(翻訳), 福元初男(翻訳) (2000年) 「親愛なるピエールへの手紙」, 「5 「持続可能な豊かさ」シナリオ」, 「第四章 未来への五つのシナリオ」, 「第Ⅰ部 お金と自分」, 『マネー崩壊 : 新しいコミュニティ通貨の誕生』, 日本経済評論社, 134~135ページ. [Back ↩]