「はじめの一歩(Orverture)」 [1]
プレリュードなにはともあれ[2]

 

おはよう世界
Good Morning World!
不可能の闇を祓って
神話を日常に変えていくOdyssey
一歩ずつ石を穿つ様な この歩みで
世界を拡げよう

さあ今日も
人間を始めよう

―― BURNOUT SYNDROMES「Good Morning World!」

すずろ作法で、すずろっていこう!

ここでは、「すずろ作法」という考えかたについて、お話したいとおもいます。

「すずろ」という言葉の意味としては、「取るに足りない」「不本意な」「つまらない」などの意味や、「漫然と」「とりとめもなく」「とくに目的(理由)もなく」「あてもなく」などの意味があります。

ここでお話する「すずろ作法」というのは、つぎのような考えかたをすることです。

はじめは、不完全だったり、完成度が高くなくてもいいので、まずは、とりあえずつくってみたり、とりあえずやってみたりして、そこから、すこしずつつくりあげていったり、すこしずつ改善していこう。

このような、「すずろ作法」の考えかたをすることで、たとえ、自分がなにかをつくろうとしたときに、できあがったものが、不完全だったり、完成度が高くなかったとしても、「大丈夫!大丈夫!これは、ただ、すずろってるだけだから、なにも問題ない!」と、かるい気持ちのままでいることができて、必要以上に、おちこんだりすることが減るのではないかとおもいます。そして、すこしずつつくりあげていったり、すこしずつ改善していくことで、結果的に、完成度が高いものをつくることができるだろうとおもいます。

そんなこんなで、あなたもすずろってみませんか?

 

この記事のこれ以降のところでは、この「すずろ作法」のような考えかたや、こころがまえなどにまつわる、いろいろな言葉を引用して紹介していきたいとおもいます。

「一歩ずつ石を穿つ様な この歩みで 世界を拡げよう」

未知なる道を既知に
弱点をCharm Pointに
幼き夢を現実に 愛を力に変えて

進もう 明日はいつだって
前人未到の秘境だ
その叡智と勇気が
生きている証

おはよう世界
Good Morning World!
不可能の闇を祓って
神話を日常に変えていくOdyssey
一歩ずつ石を穿つ様な この歩みで
世界を拡げよう

さあ今日も
人間を始めよう

(BURNOUT SYNDROMES「Good Morning World!」〔一部分〕) [4] [5] [3]

「すごくおおざっぱなバージョン1」から始める

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[6]

starting with a very crude version 1, then (f) iterating rapidly.

―― Paul Graham, Six Principles for Making New Things [7]

非常に粗雑なバージョン1から始め、その後(f)素早く繰り返す。

―― ポール・グレアム「新しいものを作る6つの原則」 [8] [9]

プログラマーで、エッセイストで、起業家で、投資家でもある、ポール・グレアムPaul Graham)という人がいます。

そのポール・グレアムさんが、「新しいものを作る6つの原則」(Six Principles for Making New Things)というエッセーのなかで、「すごくおおざっぱなバージョン1からはじめましょう」("starting with a very crude version 1")(不完全でも、見ばえが悪くてもかまわないので、できるだけ早くはじめましょう。そして、そのあとで、改善をくりかえしていきましょう)というような意味のことを言っています。

これはまさに、Viaweb、Y Combinator、そして私のエッセイの大部分に対して、人々が最初に言ったことと同じことだったのだ。

私たちがViawebを始めたとき、ベンチャー・キャピタリストと電子商取引の「専門家」には、取るに足らないもののように見えた。私たちはアパートで仕事をする冴えない二人組だった。こういう形態は今でこそクールだが、1995年当時はそうでもなかった。私たちが作ったものを、彼らはソフトウェアですらないと判断しただろう。彼らにとってソフトウェアとは、ばかでかくて鳴り物がいっぱいついているWindowsアプリケーションのことだった。Viawebは彼らが見た最初のウェブ・ベースのアプリケーションだったため、それは単なるウェブサイトに見えたのだ。Viawebはクレジットカードの取引を処理しないと知ると(私たちは最初のまる1年、そうしなかった)、彼らはさらにバカにした。彼らにとってトランザクション処理は電子商取引の全てだった。それが重要で困難な部分だと思っていたのだ。

しかし不思議なことに、Viawebは最終的に、すべての競争相手を打ち負かした

〔中略〕

私は(a)単純な解決策で、(b)見落とされた問題で、(c)実際に解決する必要があるものを見つけることが好きで、見つけたら(d)できるだけくだけた形でそれを示し、(e)非常に粗雑なバージョン1から始め、その後(f)素早く繰り返す

これまで意識してこなかった原則を実際に明示的に並べてみたら、私はちょっと驚くことに気づいた。これは人々に自分はバカだという第一印象を与えるためのレシピなのだ。単純な解決策の方が良い時であっても、みんなは複雑な解決策ほどには感心しない。見落とされた問題は、その定義からして、大部分の人々が重要でないと思う問題だ。普通と違う方法で解決策を提示すると、人はその提示方法で判断するのではなく、本当に理解する必要があるので労力がかかる。また粗雑なバージョン1から始めれば、最初の作品はいつも小さく不完全だってことを意味する。

私はもちろん、人々は新しいアイデアを最初は決して理解しないと気がついた。かつて私は、単に大部分の人々は愚かだからだと思っていた。今では私は、それ以上の何かがあると思っている。逆張り投資家のように、私の戦略に従っている人は、一般的な人からはたいてい間違っているように見えるのだ

逆張り投資戦略と同様、それこそがポイントだ。このテクニックは(長い目で見れば)成功する。というのも、ちゃんとしているように見せようとするあまり他の人々があきらめている利点すべてを得られるからだ。見落とされた問題に取り組めば競争が少ないので、新しい発見をする可能性が高まる。解決策を非公式に伝えれば、(a)印象的に見せるためそれらに費やす努力を丸ごと節約できるし、(b)みんなと同様の思い違いをする危険も回避できる。また粗雑なバージョン1をリリースして、その後、改善を積み重ねれば、あなたの解決策は自然の想像力から利益を得ることができる。ファインマンが指摘したように、自然の想像力は、人間の想像力を凌駕するのだ。

(ポール・グレアム(著者), lionfan(翻訳),「新しいものを作る6つの原則」[10] [11]

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合抱ごうほうの木も毫末ごうまつより生じ、九層きゅうそううてな塁土るいどより起こり、千里せんりこう足下そっかより始まる」

合抱ごうほうの木も毫末ごうまつより生じ、九層きゅうそううてな塁土るいどより起こり、千里せんりこう足下そっかより始まる。

(ひとかかえもある大木も毛さきほどの小さい芽から生まれ、九層の高台もひと盛りの土の積みあげから起こり、千里の遠い旅も足もとの一歩から始まる。)

(『老子』第64章より) [12] [13]

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およそ小をあつむるは大を所以ゆえんにして、一を積むは億に至る所以ゆえんなり」

およそ小をあつむるは大を所以ゆえんにして、一を積むは億に至る所以ゆえんなり。もしこれを微なるにをしみ、これを著なるに成さば、すなわち道を知るにちかからん。

葛洪かっこう 「第13巻 極言きょくげん」, 「内篇ないへん」, 『抱朴子ほうぼくし』) [14]

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「栄光はあくまでも結果論 それよりも道中どう過ごすかだろ?」


HOME MADE 家族 『JOYRIDE』
(1:33~2:06)

曲がりくねったスリルをすり抜け
ビビるどころか楽しむ極限まで
栄光はあくまでも結果論
それよりも道中どう過ごすかだろ?
握るハンドル思い込める
踏むアクセル キミの明日決める
茜色に染まった空の下
希望に燃えて走り出した

何処に向かっているのか?
時に何処に進んでいるのか?
解らなくなる でもね、だから走り出すのさ
人生なんてそんなもんさ 失敗と成功の連続さ!
独りが恐いなら飛び乗りな 新たな旅の始まりだ!

(HOME MADE 家族「JOYRIDE」(1:33~2:06))

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「この点、きわめて不本意ではあるが、ともかくも従来未紹介の文献を含めて相当数の文献の翻刻を提供できたことは、今後のこの方面の研究に多少なりとも役に立つのではないかと考える」

下巻は刊行の都合から、二年ほどの期間で準備し、校訂の作業を済ませなければならなくなった。これは、錯綜する山王神道関係の文献に関して、十分に写本を求め、底本・校本を定めて、厳密に校訂を行なうには余りに短期間に過ぎた。それ故、ともかく入手できる文献で翻刻の価値のあるものをできるだけ多く収録することにした。また、厳密に校本との相違を挙げることはせず、底本をできるだけ忠実に翻刻し、それで意味の通りにくい箇所のみ、校本その他によって傍注を付するに留めた。この点、きわめて不本意ではあるが、ともかくも従来未紹介の文献を含めて相当数の文献の翻刻を提供できたことは、今後のこの方面の研究に多少なりとも役に立つのではないかと考える。

(末木文美士「解題」, 『神道大系 論説編 4 天台神道(下)』) [15]

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「さあ今日も 人間を始めよう」

 

一歩ずつ石を穿つ様な この歩みで
世界を拡げよう

さあ今日も
人間を始めよう

―― BURNOUT SYNDROMES「Good Morning World!」〔一部分〕

 

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脚注
  1. "young fitness woman runner running on sunrise seaside road" photo by lzf on Envato Elements[Back ↩]
  2. プレリュードなにはともあれ)」という言葉は、この画像に筆者(倉田幸暢)がつけた言葉です。 [Back ↩]
  3. 参考: "【BrokeN】GOOD MORNING WORLD - DR.STONE OPENING" by BrokeNSings on SoundCloud. [Back ↩][Back ↩][Back ↩]
  4. 参考: "BURNOUT SYNDROMES 『Good Morning World!』Music Video(TVアニメ「Dr.STONE」オープニングテーマ)" by BURNOUT SYNDROMES Official YouTube Channel on YouTube. [Back ↩][Back ↩][Back ↩]
  5. 参考: "TVアニメ 「Dr.STONE」 第1クールOP<Good Morning World!>ノンクレジット映像" by TOHO animation チャンネル on YouTube. [Back ↩][Back ↩][Back ↩]
  6. (「どんな表現でも描くことができる『キャンバス』」、「無料の写真: ペイント ブラシ, 屋外, 日光, 壁紙, クリア, 農業, 緑 - Pixabayの無料画像 - 316618」 by PublicDomainPictures on Pixabay[Back ↩]
  7. 引用元:Paul Graham, Six Principles for Making New Things.[Back ↩]
  8. 引用元:ポール・グレアム(著者), lionfan(日本語版の翻訳者), 「らいおんの隠れ家 : ポール・グレアム「新しいものを作る6つの原則」 - livedoor Blog(ブログ)」.[Back ↩]
  9. 原文:Paul Graham, Six Principles for Making New Things.[Back ↩]
  10. 出典: ポール・グレアムPaul Graham)(著者), lionfan(日本語翻訳), 「らいおんの隠れ家 : ポール・グレアム「新しいものを作る6つの原則」 - livedoor Blog(ブログ)」. [Back ↩]
  11. 引用文のなかの太文字や赤文字などの文字装飾は、引用者によるものです。 [Back ↩]
  12. 参考文献: 老子(原著), 蜂屋邦夫(翻訳・注釈), (2008年), 「第六十四章」, 『老子』, 岩波文庫, 岩波書店, 289~290ページ. [Back ↩]
  13. 参考文献: 金谷治(編集・翻訳) (1997年) 「64 其の安きは持し易し(無為の実践(2))」, 『老子 : 無知無欲のすすめ』, 講談社学術文庫, 講談社, 196~197ページ. [Back ↩]
  14. 葛洪かっこう 「内篇巻之十三 極言きょくげん 二」, 葛洪かっこう(著者), 石島快隆(訳註), (1942年), 抱朴子ほうぼくし, 岩波文庫, 岩波書店, 222ページ. [Back ↩]
  15. 出典:末木文美士 (1993年) 「総説」, 「解題」, 神道大系編纂会 (編集), 『神道大系 論説編 4 天台神道(下)』, 神道大系編纂会, 13ページ. [Back ↩]