「幸村誠」タグの記事一覧

「ほかの人と分かちあえば、ほかの人もまた、いいことを教えてくれるだろう。そうすれば、みんながよくなる!」

By Yukinobu Kurata (倉田幸暢)

Southern Lights.jpg by NASA's Earth Observatory on Wikimedia Commons

「虹の彼方に」 (*1)

 「大事な発見は、自分ひとりだけで
  しまっておいてはいけないよ」
 
とビッケは言います。
 
 「かくしておいたら、何も進歩しないもの。
  ほかの人と分かちあえば、ほかの人もまた、
  いいことを教えてくれるだろう。
  そうすれば、みんながよくなる!」
 
・・・・・・デキた子やなぁ。彼には多くの人々に貢献する気持ちがあるのです。その「人々」には、父ハルバルと対立している敵さえも含まれます。ビッケの最もステキなところです。

―― 幸村誠『ヴィンランド・サガ』第17巻 (*2)

 

専門知識は、それだけでは断片にすぎない。不毛である。専門家の産出物は、ほかの専門家の産出物と統合されて初めて成果となる。

―― ピーター・ドラッカー「知識ある者の責任」, 『プロフェッショナルの条件』 (*3)

 

人類の交換と専門化がこの地球のどこかで続く限り、指導者が手を貸そうが邪魔立てしようが文化は進化する。その結果、繁栄は拡大し、テクノロジーが発達し、貧困は減り、疾病が勢いを失い、人口増加は収まり、幸福が増し、暴力が減り、自由が栄え、知識が豊かになり、環境が改善し、原野が拡大する。

―― マット・リドレー「無限の可能性」, 『繁栄』 (*4)

 

「人の一生は短い。
 
 それひとつでは意味をなさない一瞬の "光" だ。
 
 だから人を愛せ。
 
 絶望する前に、いまできる最善のことを見つけろ。
 
 そうして連なり、響きあった時に、
  "光" は初めて意味をなす」

―― サイアム・ビストの言葉 『機動戦士ガンダムUC』 (*5)

 

「運命の果実を一緒に食べよう」

―― 『輪るピングドラム』 (*6)

 

『大日本仏教全書』や、群書類従ぐんしょるいじゅう近江輿地志略おうみよちしりゃく大正新修大蔵経たいしょうしんしゅうだいぞうきょうなどなどの、たくさんの人たちの、たくさんの叡智を積み上げることでつくられた、すばらしい本の数々に触れていると、「この社会って、めちゃくちゃすばらしいところだな!!!」とかんじます。
(o≧ω≦)O

これらの本は、その内容が電子データとして公開されていて、インターネットで誰でも自由に閲覧することができるようになっています。

そうした、「みんなの力をあわせてつくったものを、みんなでわかちあう」という現象にふれていると、こころの奥底から熱いものがわきあがってきて、胸のBPMが高鳴りまくってしょうがない、やる気MAXファイヤーな状態になります。

そんなこんなで、興奮冷めやらないかんじなので、そのいきおいで、これらの本の紹介をしたいとおもいます。

また、「みんなの力をあわせてつくったものを、みんなでわかちあう」という現象にふれているときに、胸をよぎる言葉も紹介したいとおもいます。

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脚注
  1. 画像の出典:「虹の彼方に」. Southern Lights.jpg by NASA's Earth Observatory on Wikimedia Commons.[↩ Back]
  2. 幸村誠 (2016年) 『ヴィンランド・サガ』第17巻(冊子版), アフタヌーンKC, 講談社, 冊子のカバーの「そで」(折り返し)のところに掲載されている著者による文章より.[↩ Back]
  3. ピーター・F・ドラッカー(著者), 上田惇生(翻訳, 編集) (2000年) 「知識ある者の責任」, 「3章 貢献を重視する」, 「Part2 働くことの意味が変わった」, 『プロフェッショナルの条件:いかに成果をあげ、成長するか』, ダイヤモンド社, 88ページより.[↩ Back]
  4. マット・リドレー(著者), 大田直子(翻訳), 鍛原多惠子(翻訳), 柴田裕之(翻訳) (2013年) 「無限の可能性」, 「第8章 発明の発明:1800年以降の収穫逓増」, 『繁栄:明日を切り拓くための人類10万年史』(文庫版), ハヤカワ・ノンフィクション文庫, 早川書房, 544ページより.[↩ Back]
  5. (サイアム・ビストの言葉、著者:福井晴敏、『機動戦士ガンダムUC (10) 虹の彼方に (下)』(小説)、角川書店(角川グループパブリッシング)、角川コミックス・エース、2009年、116ページ)[↩ Back]
  6. 『輪るピングドラム』の最終話「第24駅 愛してる」より.[↩ Back]

「死を超えるものが欲しい」:幸村誠さんはどのような想いをもって『ヴィンランド・サガ』や『プラネテス』のマンガを描いておられるのでしょうか?

By Yukinobu Kurata (倉田幸暢)

Over the Death Fence (*1)

 

僕がもし、今まさに飛び降りんとするその二人と、フェンス越しに話をするチャンスに恵まれたとして、何を言えば、また何をしたら、二人は金網のこっちに戻ってきてくれるんだろうか。

―― 幸村誠、『プラネテス』第3巻 (*2)

そんなアルネイズに
「だから生きろ」と言えるだけの言葉が
すぐには出てこなかった
 
死を超えるものが欲しい
 
アルネイズに胸を張って語ることができる
死を超えた救いと安らぎが生者の世界に欲しい
 
無いなら 作る
 

―― トルフィンの言葉、『ヴィンランド・サガ』第13巻 (*3)

 

目次
  1. はじめに
  2. 「なぜ・・・・・生きなければならないの?」
    1. 「死ぬ理由はないけど生きてる理由もない」と書き遺して死んだ二人の女の子
    2. 「穿つ問い掛け」
    3. 「アルネイズのために」という言葉に込められた、もうひとつの意味
      1. 第93話の扉絵の、微笑むアルネイズの絵が意味するもの
    4. 「死ぬとか、生きるとか、それらの意味とか」「やっぱり考えてしまうのです」
  3. 行き場のない人たちはどこへ行けばいいのか?
    1. 「行き場のない人たち」
    2. 「ここではないどこかに・・・・・・」
    3. 「私は船に乗りたいの!」
    4. 孤独な「家なき鳥」クリーア
    5. 「そのために生きなさい」
    6. 「世界はそこだけ、なんて風に考えるのはかなしい」
    7. 「きっといたと思います」
  4. 「本当の戦士」とはなにか?
    1. トールズが目指したもの
    2. アシェラッドが待ち望んだ「英雄」
    3. 「世界最強」のトルケルより強い者
    4. トルフィンの「本当の戦い」
      1. 「誓い」
      2. 「本当の戦い」
      3. 「最初の手段」
      4. 「戦士の誕生」
      5. 「無敵」
    5. 「まず逃げなさい」
      1. 「勝手に二択にするな」
    6. 「こうだったらいいのになとボクが願う主人公像、人間像」
      1. 「だめだった時期の経験もすべて無駄にならないような成長過程を経ているんじゃないか」
  5. 「愛」とはなにか?
    1. 「悪魔みたいな男」ロックスミスの「愛」
    2. 「酒呑み坊主」ヴィリバルドが語る「愛」と「愛という名の差別」
    3. 「叛逆の帝王」クヌートの「愛」と「楽土」
      1. 「ふたつの楽土」
    4. 「惑う人」星野八郎太の「愛」と「つながり」
    5. 「プラネテス」の意味は「迷い子たち」
    6. 「人は人にとって」
  6. なぜ生きるのか、なぜ描くのか
    1. 「漫画という「考える装置」」
    2. 「ボクは、ボクが教わったことを全力でこの漫画に描くつもりです」
  7. そのほかの話題
    1. 2つの「プロローグの終わり」
    2. 実在の人物であるトルフィン
    3. アニメ版の『プラネテス』のご紹介
    4. アニメ版の、いろいろな言語での「プラネテス」という言葉のモーフィング映像について
    5. 『ヴィンランド・サガ』が、ついにアニメ化!
    6. 『ヴィンランド・サガ』のトルフィンが、ゲームや、ショートアニメに登場!
    7. 『プラネテス』に登場した印象的な言葉
  8. 参考資料
    1. 参考資料:マンガ『プラネテス』関連
      1. インタビュー記事
    2. 参考資料:アニメ『プラネテス』関連
    3. 参考資料:マンガ『ヴィンランド・サガ』関連
      1. インタビュー記事

はじめに

『ヴィンランド・サガ』や、『プラネテス』というマンガの作者である、幸村誠さんという漫画家さんがおられます。

ぼくは、『ヴィンランド・サガ』と、『プラネテス』は、ほんとうにすばらしい作品だと、こころの底からおもいます。

もし、「あなたが1番おもしろいとおもうマンガを紹介してください」と誰かに聞かれたら、『プラネテス』と『ヴィンランド・サガ』を紹介します。

それくらい、この2つのマンガはすばらしい作品だとおもいます。

また、そういった作品を描いていらっしゃる作者である幸村誠さんも、とても興味深い人だとおもいます。

『プラネテス』と、『ヴィンランド・サガ』には、作者である幸村誠さんの問題意識があらわれているように感じられるところがたくさんあります。

そこで、今回は、「幸村誠さんが、『ヴィンランド・サガ』や『プラネテス』の作品を描くにあたって、どんな思いをもってマンガを描かれているのだろうか?」、ということをかんがえてみたいとおもいます。

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脚注
  1. 無料の写真: 手, ブーケ, フェンス, ギフト, 与えます, 祝います, 関係 - Pixabayの無料画像 - 1549224 by klimkin on Pixabay[↩ Back]
  2. (幸村誠、(冊子のカバーの折り返しのところに掲載されている著者による文章)、『プラネテス』第3巻(冊子版)、アフタヌーンKC、講談社、2003年)[↩ Back]
  3. (トルフィンの言葉(幸村誠、「第93話 戦士の誕生」、『ヴィンランド・サガ』第13巻 Kindle版、アフタヌーンコミックス、講談社、2013年、185~190ページ))[↩ Back]

「あの時 あなたは 僕を守ってくれなかったじゃないですか」 「あなたが正しいと言うのなら なんで守ってくれなかったんです」

By Yukinobu Kurata (倉田幸暢)

「あの時 あなたは

 僕を守ってくれなかったじゃないですか」
 
「あなたが正しいと言うのなら

 なんで守ってくれなかったんです」

―― 瀬田宗次郎、『るろうに剣心』 (*1)

閉ざされたドアの向こうで吹きあれる戦争で、どれほど多くの子どもたちが不具にされているかということに、だれも気づかない。そしてだれも、魂を失った人々を助けるすべを知らない。

―― 『母に心を引き裂かれて』 (*2)

「これで・・・

 これでもう・・・

 戦わなくて済む

 殺し合いの螺旋から

 俺は降りる」

―― 辻風黄平、『バガボンド』 (*3)

in this waking hell I am
witnessing more than I can compute
この燃え盛る
理解をこえた地獄の目撃者

pray myself we don't forget
lies, betrayed and the oppressed
嘘や裏切り
虐げられた人々を決して忘れない

please give me the strength to be the truth
真実であるための力を私の手に

people facing the fire together
if we don't, we'll lose all we have found
この炎に立ち向かう
そうしない事は全てを失う事だから

―― ORIGA、「rise」 (*4)

これからお話する話の登場人物についてですが、あるいは、今、あなたのすぐちかくにいる、あなたがとてもよく知っているその人、ということになるかもしれません。

ですが、ここでは話の都合上、舞台となる時代と場所は、今ではないいつか、ここではないどこか、ということにしておきます。

正確には、「いつの時代でもあり得る」し、「どこの場所でもあり得る」といえます。

過去のことかもしれないし、現在のことかもしれないし、未来のことかもしれません。

地球の裏側で起こっていることかもしれないし、名前くらいは聞いたことがあるあの場所で起こっていることかもしれないし、あなたのすぐそばで起こっていることかもしれません。

ですが、とりあえずそのことはおいておいて、今ではないいつか、ここではないどこか、ということにしておきます。

そして、登場人物はその、今ではないいつか、ここではないどこかにいる、ある子どもです。

ここでは、その子がどのような名前で呼ばれているのか、ということも、その子の性別が男性か女性か、ということも、とくに重要なことではありません。

なぜなら、「どのような名前でもあり得る」し、「どちらの性別でもあり得る」といえるからです。

聞いたこともないような名前かもしれないし、あの人とおなじ名前かもしれないし、あなたとおなじ名前かもしれません。

ですが、ここではとりあえず、その子の名前を「宗次郎」と呼ぶことにします。

この「宗次郎」という子どもは、深刻な問題を抱えている「親」と、幼い頃からともにいることを強いられることになるために、自身もこころに傷を負うことになります。

これは、そんな「宗次郎」たちのお話です。

 

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脚注
  1. (瀬田宗次郎(声優:日髙のり子)、原作:和月伸宏(脚本:島田満、監督:古橋一浩)、第55話「嵐の夜の惨劇・宗次郎の過去」、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(アニメ))[↩ Back]
  2. (ジョアンナの日記の抜粋、クリスティーヌ・A・ローソン(Christine Ann Lawson)(翻訳:遠藤公美恵)、7章「迷える子どもたち―「完璧な」子どもと「くずの」子ども」、『母に心を引き裂かれて―娘を苦しめる“境界性人格障害”の母親』、196~197ページ)[↩ Back]
  3. (辻風黄平、作者:井上雄彦、「#125 螺旋」、第13巻、『バガボンド』)[↩ Back]
  4. (歌手:ORIGA(オリガ)、作詞:Tim Jensen(ティム・ジェンセン) / ORIGA(オリガ)、(英語とロシア語で書かれた歌詞の日本語訳:Mayu Jensen(麻由ジェンセン) / ORIGA(オリガ))、作曲:菅野よう子(Yoko Kanno)、楽曲名:「rise」(アニメ『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』オープニング主題歌)、CDの題名:『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX オープニングテーマ「GET9」』、2004年、ビクターエンタテインメント株式会社、(CDに付属しているブックレットに掲載されている「rise」の歌詞)、(CDに付属しているブックレットに掲載されているスタッフクレジット))[↩ Back]

『プラネテス』 ―人間たちの物語―

By Yukinobu Kurata (倉田幸暢)

突然ですが、アニメ『プラネテス』を紹介したいと思います。

 
このアニメは、笑いあり、涙あり、シリアスありと、
アニメの域を超えたおもしろさです。

 
表題の『プラネテス』(ΠΛΑΝΗΤΕΣ、PLANETES) の意味は 続きを読む

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